研究課題/領域番号 |
16K08010
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生産科学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
寳示戸 雅之 北里大学, 獣医学部, 教授 (50355088)
|
研究分担者 |
堤 道生 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (70373248)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 有機的管理 / 循環型畜産 / 養分フロー / 窒素収支 / アンモニア / グラスフェッドビーフ / LCA / 土壌ストック / アウトフロー / 有機管理 / 肉牛生産 / 窒素 / リン / 畜産学 / 有機農業 |
研究成果の概要 |
循環型畜産・有機管理で牛肉を生産する八雲牧場において、窒素フロー解析を行った。220haの土壌に1952tが蓄積され、牧草生育に14.3tが使われ、その6割・8.6tがクローバの固定に依存した。牛体に3.3t、堆肥散布が15.7tであった。系外からの投入窒素は沈着2.8t、副資材1.7tであり、出荷牛として1.4tが排出された。その結果、窒素収支は8.6tの余剰であった。持ち出される養分量と土壌中の養分蓄積量から求めた維持年限はリンが最も短く、57年であった。 八雲牧場の環境影響は、有機的管理導入前、導入後ともに、酸性化、富栄養化への影響およびエネルギー消費において、慣行システムの値を下回った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
完全な有機畜産を実践している事例が全くない現状で、グラスフェッドビーフを実用生産している牧場の養分フローを明らかにし、クローバーの固定窒素が非常に有効に働いていることを示し、さらに牧場の窒素収支がわずかな余剰窒素を発生していることがわかったことから、少なくとも化学肥料を全く施用せずとも、窒素については消耗型ではないことを明らかにした意義は、極めて実用的な価値が高い。さらにこの方式でも土壌に蓄積した養分を使い続けることで、最初にリンが枯渇までに57年もかかることから、この方式の持続性を明らかにした意義は高い。さらにLCAによるエネルギー消費量の低下は、環境保全への貢献を裏付けるものである。
|