研究課題
基盤研究(C)
Campylobacter jejuniに起因するギランバレー症候群(GBS)の発症機序は、菌体リポオリゴ糖(LOS)がガングリオシド様糖鎖構造を持つことによる自己免疫疾患と考えられている。そこで、家畜由来C. jejuni のGBS発症のリスク因子の分布を調べ、それらを有する菌株の分布状況を明らかにした。国内市販鶏肉、ブロイラー、地鶏、牛及び下痢患者由来C. jejuni 計496株を供試し、血清型、LOS合成遺伝子オペロン型、MLST型、LOSにおけるシアル酸及びガングリオシドGM1エピトープの発現を決定した。その結果、GBSの発症リスク因子を保有する株が家畜に分布していることが示された。
日本国内の細菌性食中毒の約60%はカンピロバクターによるもので、発症件数はこの数年間第1位となっている。GBSの発症頻度は人口10万人当たり1.2名程度で、国内では年間2000人程度の発症が認められている。GBSの約30%はカンピロバクターの合併症として起こることから、本研究で食中毒の感染源となるカンピロバクターの中にどの程度GBS発症に関連するリスク因子を保有しているのか、また自然界における分布を明らかにしたことは、GBS発症リスク因子を保有する菌株を迅速に検出できる診断法に繋げる事が可能となり、GBS発症を未然に防ぐことができる成果として公衆衛生上の意義は高い。
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The Journal of Veterinary Medical Science
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