研究課題/領域番号 |
16K08087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統合動物科学
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
羽山 伸一 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (80183565)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 原発災害 / 原子力災害 / ニホンザル / 放射線影響 / 野生動物医学 / 被ばく |
研究成果の概要 |
2011年3月に東日本大震災に伴って爆発した福島第一原発から放出された放射性物質に被ばくした野生ニホンザルを対象に、被ばくによる健康影響を明らかにした。 筋肉中放射性セシウム濃度は、ほとんどの個体で数十~数百Bq/kgを示し、2011年当時から徐々に低減しつつあるが、1000Bq/kgを超す個体も未だにいるため、高濃度に汚染した食物を摂取している可能性が示唆された。 また、原発災害前に妊娠した胎仔と災害後に妊娠した胎仔の相対成長を比較したところ、災害後の胎仔で体重と頭部のサイズのいずれも有意に低下していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、放射性物質に被ばくした野生霊長類における健康影響を世界ではじめて明らかにした。調査対象とする福島市は、福島第一から約60㎞に位置するが、サルが生息しているのは主に除染不能な森林内であり、採食している餌生物はいまだに数千Bq/kgと高濃度の放射性物質に汚染され、継続的に被ばくしている。また、同一地域同一種で長期間にわたってセシウム濃度を観測した事例はない。サルは野生状態でも20~25年程度の寿命があり、こうした長期的な低線量被ばくによる健康影響を評価するためには、きわめて適した研究対象である。
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