研究課題/領域番号 |
16K08099
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
昆虫科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大村 尚 広島大学, 統合生命科学研究科, 准教授 (60335635)
|
研究分担者 |
藤井 毅 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (30730626)
|
研究協力者 |
石川 幸男
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 植食性昆虫 / モンシロチョウ / 寄主選択 / 植物揮発性成分 / 幼虫糞 / 触角感受性 / 交尾 / 嗅覚 / 寄主探索 / 忌避作用 / 発現変動遺伝子 / RNAシークエンス / 化学分析 / 昆虫 / 行動学 / 応用動物 / 生理学 |
研究成果の概要 |
モンシロチョウの嗅覚を利用した寄主探索や交尾後の行動・嗅受容の変化について調べた。交尾雌は処女雄より匂いに対する反応性が高く、植物模型にキャベツ葉の匂いを賦香すると着陸頻度が増加した。雌の触角嗅覚感受性は交尾前後でほとんど変化しなかったため、交尾雌での行動の鋭敏化は、嗅受容に関する中枢神経系での変化に起因すると推定された。寄主探索をおこなう雌は幼虫糞の匂いを弱く忌避する傾向があり、交尾雌よりも処女雌において忌避反応は顕著であったが、活性物質の特定には至らなかった。雌成虫の遺伝子発現を調べ、触角での発現量は極めて少ないこと、胸部・卵では十数種の遺伝子が交尾後に過剰発現することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昼行性のチョウは視覚的手がかりを利用して遠隔的な寄主探索をおこなうと考えられてきた。本研究では、母チョウが視覚のみならず嗅覚も利用することを実験的に証明し、寄主探索の手がかりとなる植物由来のカイロモンを同定するとともに、幼虫糞の匂いが弱いながらも雌を忌避することを見いだした。これらの知見は、アブラナ科の重要害虫であるモンシロチョウの行動を匂い物質で制御するための基礎情報であり、新規防除法開発のシーズになりうる。また、雌成虫の行動は交尾後ダイナミックに変化しており、行動生理学的な視点においても、交尾前の雌の防除および交尾の攪乱がより重要であることが示唆された。
|