研究課題/領域番号 |
16K08106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
昆虫科学
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
陰山 大輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (60401212)
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研究分担者 |
佐原 健 岩手大学, 農学部, 教授 (30241368)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ボルバキア / 共生細菌 / 減数分裂 / マイオティックドライブ / 染色体 / 性決定 |
研究成果の概要 |
昆虫の共生細菌ボルバキアは、様々な方法で自分の都合のいいように宿主昆虫の生殖を操作しているが、本研究により、全く新しい生殖操作のタイプが存在することがわかった。ボルバキア系統wFemに感染されたキタキチョウは、オスと交配して、メスのみの子孫を残すが、これらメスの性染色体構成がZ0であることが明らかになった。また、ボルバキアは宿主に働きかけ、Z染色体の母系伝達を阻害していることが示された。さらなる状況証拠から、ボルバキアは母方のZ染色体を完全に分解消化しているという可能性が浮上した。生殖や共生についての包括的な理解や害虫制御技術への基礎的貢献につながる成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、今まで全く知られていなかった方法で微生物が昆虫の生殖システムを操作していることが明らかとなった。ボルバキアとよばれる細菌が、昆虫の性決定に影響を与えるだけでなく、性染色体の遺伝を妨げていることを示すことができた。さらにその仕組みとして、状況証拠をもとに、メスの減数分裂期に性染色体をまるごと消失させているという仮説を提示することができた。この成果は、発生学、進化生物学に新たな光を当てるだけでなく、生物の人工制御の可能性を予感させる内容であり、基礎的に重要なものである。
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