研究課題
基盤研究(C)
トランスサイレチンの単量体に結合することでアミロイド線維形成を阻害する、全く新しい作用機序をもつトランスサイレチン(TTR)アミロイドーシス阻害薬の開発を行った。コンピューターによるスクリーニングや化合物ライブラリを探索することにより、抗炎症薬であるジアセレインが候補化合物であることが明らかになった。物理化学的な実験から、ジアセレインは、既存の阻害剤と同様に四量体に結合して立体構造を安定化する一方で、単量体・および二量体を安定化することでアミロイド線維形成を阻害していることを明らかにした。
現在、国内で承認されているATTR-FAPの治療は肝移植またはTTRを安定化するビンダケルに依存している。治療の選択肢を広げるために、新しい作用機序のアミロイド線維形成阻害剤の創製が望まれる。本研究ではジアセレインが強い線維阻害作用を示すことを発見し、ビンダケルとは異なる作用機序であることが示唆された。ジアセレインは新規のアミロイド線維形成阻害剤、あるいはその鋳型化合物となりうる。
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