研究課題
基盤研究(C)
アレルギー応答に中心的な役割を果たすマスト細胞は疎に散在する末梢組織で最終分化を遂げるため、その生体内の性質・特性は十分には明らかになっておらず、マスト細胞・アレルギー疾患研究の大きな障壁となっている。そこで、本研究ではシングルセルレベルでマスト細胞において発現している遺伝子の種類や量を明らかにするために必要な遺伝子増幅法の構築を志向した結果、マスト細胞シングルセル量から全遺伝子の種類や量の比較解析に十分かつ内在する量差を反映する増幅法を構築した。
アレルギー疾患の患者数は増加傾向にあり、未だ根本的な予防・治療法は開発されていない。アレルギー疾患に対する新たな治療、予防、創薬のために、アレルギー応答に中心的な役割を果たすマスト細胞の性質・特性を明らかにすることは重要であることから、本成果を活用することによってマスト細胞に対する理解が深まり、アレルギー疾患に関する新たな治療法などの開発につながることが期待される。