研究課題
基盤研究(C)
DNA損傷時などにPARPが活性化し、ポリ(ADP-リボシル)化(PAR化)が亢進することが知られている。我々は、マウス精子幹細胞や神経幹細胞ではPARPが高発現し、通常の培養条件下で、PAR化が亢進状態であることを明らかにした。本研究では、この組織幹細胞特有に働く、PAR化タンパク質の解析を試みたが、明確に特有の働きを証明する新規のタンパク質の同定には至らなかった。一方、組織幹細胞におけるPAR化亢進のメカニズムについて解析し、PARP1の組織幹細胞における転写調節領域を同定した。また、組織幹細胞におけるPAR化が、細胞周期関連タンパク質の発現を制御することも明らかにした。
精子幹細胞や神経幹細胞では、通常の培養状態で体細胞に比べPARPが高発現し、常にNAD+を過剰に消費してポリ(ADP-リボシル)化(PAR化)が亢進状態である。このことから、体細胞にはない、これら幹細胞特有のPAR化の重要な働きがあることが予想される。本研究によって、組織幹細胞におけるPARP1の発現制御機構と、組織幹細胞においてPAR化が細胞周期関連タンパク質の発現を制御することを明らかにした。最近、PARP1阻害剤が抗がん剤として臨床応用されていることから、PAR化の多彩な役割を解明することによる学術的及び社会的意義は大きいと考えられる。
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