研究課題
基盤研究(C)
本研究では再生医療で行われている幹細胞からニューロンへの分化を従来の遺伝子導入によらず、低分子の「神経分化誘導物質」によって制御することを目指した。申請者はこれまでに、ニューロンへの分化を誘導する化合物としてビタミンKを見出している。そこで、この化学構造を基にして、作用発現に重要であると予想される置換基を導入し、強い分化誘導作用を有する誘導体を探索した。その結果、幾つかの強い分化誘導能を有する化合物と共に、分化を抑制する興味深い活性をもつ化合物を見出した。
現在、アルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患の治療薬の開発が世界中で行われているが、そのほとんどは原因物質と考えられているアミロイドβタンパク質を消去する薬剤であり、全て臨床試験段階で頓挫しているのが現状である。それに対して我々の研究は、失われた脳神経を「再生させる」ことを目標にして、神経幹細胞からニューロンへの分化を誘導する神経分化誘導物質の開発を行うことを目標にしている。今回の研究成果から、ニューロンへの分化誘導活性を高めた幾つかの化合物を見出しており、さらに活性を高めることができれば全く新しい視点からの治療法を提案できる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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