研究課題/領域番号 |
16K08493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 玲 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (70422970)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 音源定位 / 樹状突起 / 同時検出 / 層状核 / シナプス / 同時検出器 |
研究成果の概要 |
本研究では、左右の音入力の同時検出器として働くことで両耳間時差(ITD)検出を行うトリ層状核(NL)神経細胞を対象に、ITD検出における樹状突起機能の解明を目指す。これまでに長い樹状突起を持つ低周波数領域の細胞では、シナプス入力が遠位部に集中し、大きく減衰して細胞体に届くことを明らかにしてきた。今回、電気生理実験やシミュレーション実験により、シナプス入力による局所脱分極がカリウム電流の増加とシナプス電流の減少を引き起こすことで、シナプス電位が入力強度依存的に減衰することが分かった。さらにこの減衰によってNL細胞でのITD応答性が幅広い音圧に対して維持されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹状突起におけるシナプス統合過程の詳細な解析は、大脳皮質や海馬の錐体細胞等で精力的に行われているが、これらの細胞は生理学的機能が単純ではないため、個体の機能発現における役割については明確になっていない。これに対し、NL細胞は両耳入力の同時検出器として働くことで音源定位に関わるという、その生理機能が明確である。本研究は、このNL細胞樹状突起におけるシナプス統合過程の入力強度依存性に着目し、その同時検出における機能的意義を直接明らかにした。本研究の成果は、音源定位機構の詳細だけでなく、神経回路機構一般における樹状突起の担う機能的な役割の解明にもつながり得る。
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