研究課題/領域番号 |
16K08503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 摂南大学 (2018) 京都府立医科大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
宮崎 裕明 摂南大学, 理工学部, 教授 (30360027)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞内Cl-濃度 / 癌転移 / 細胞接着因子 / 癌細胞のクロライドシフト / 細胞接着 / 細胞運動 |
研究成果の概要 |
本研究では、原発巣と転移巣における癌細胞の細胞外環境変化により細胞内Cl-濃度が変化する「癌細胞のクロライドシフト」により細胞接着能や運動能が変化し、癌転移を引き起こすという仮説の検証を行った。 細胞内Cl-濃度の低下は細胞接着分子の発現パターンを変化させ、細胞接着能へ影響を与えることが明らかになった。また、細胞内Cl-濃度の低下は、細胞接着や細胞遊走能の制御に関わっているSrcキナーゼに対して影響を与え、下流分子へのシグナル伝達が減少していた。 従って、細胞内Cl-はSrcキナーゼの活性を制御し細胞接着や細胞運動に影響を与え、癌転移のきっかけとなり得ることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌転移については長年にわたって様々なアプローチからの研究が行われているが、癌転移は多段階の複雑なプロセスを経ているため、全体のメカニズム解明にはほど遠い状態が続いている。例えば、原発巣の細胞が上皮間葉転換を起こす際に、様々な細胞接着に関与するタンパク遺伝子の発現が変化することが知られているが、なぜそれらの遺伝子発現が変化するのか、またそのきっかけは何なのか、といった癌転移発症メカニズムとの因果関係については全く明らかにされていない。本研究は、これまでの癌研究とは全く異なるアプローチから癌転移メカニズムの解明を目指すことにより、癌研究において新たな概念を構築する斬新な研究になるものと考える。
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