研究課題/領域番号 |
16K08531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
長谷 都 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20450611)
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研究分担者 |
福島 篤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10442716)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 妊娠 / 出産 / 子育て / 海馬 / AMPA / AMPA受容体 / 生殖イベント / LTP / 飽和試験 / 学習 / 雌性ラット / 可塑性 / 生理学 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
行動解析の結果、妊娠、出産、子育て後の経産ラットと出産のみ経験したラットは、未経産ラットと比較し空間学習にて良好な成績であった。電気生理学的解析では、経産ラットでのみ、LTPが誘発され、AMPA/ NMDA ratio およびRI値ともに未経産ラットと比較し高値であった。詳細なメカニズムを明らかにするために、iTRAQ法にて海馬内で増加していた14-3-3proteinの発現を、ウェスタンブロット法で確認したが変化はなかった。これらより、生殖経験後の空間学習の成績向上は、全ての生殖経験により海馬AMPA受容体サブユニットの構成変化が起こり、シナプス伝達効率の上昇が関与している可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
授乳期以降のラットを用いた研究は、報告が少なく、エストロジェン濃度変動に依存しAMPA受容体の構成に変化がみられることから、性周期を明確にした研究を行っている点、AMPA受容体に関する研究は、雄性ラットの研究が主で、経産ラットを用いた研究はないという点から学術的意義がある。生殖イベント全ての経験が顕著に可塑的変化をもたらし、経産ラットの空間学習の成績と海馬内のAMPA受容体のサブユニット構成の変化に14-3-3proteinは関与が低いことを示唆する結果となった。これらの結果は、少子化、子供への虐待問題を抱えている日本では、科学以外の場で注目されることも予想され、社会的にも意義ある研究である。
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