研究課題/領域番号 |
16K08648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
近藤 哲夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30334858)
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研究分担者 |
中澤 匡男 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10345704)
加藤 良平 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (30152755)
大石 直輝 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90623661)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / 細胞外アデノシン / 腫瘍免疫回避 / 癌 / トランスレーショナルリサーチ |
研究成果の概要 |
細胞外アデノシンは細胞膜に存在するENTP1/CD39及びNT5E/CD73の脱リン酸化作用によってアデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン一リン酸(AMP)から変換され、アデノシン受容体シグナル伝達経路によって細胞機能に関与する。甲状腺がん細胞のNT5E/CD73によって産生される細胞外アデノシンは、同じくがん細胞に高発現するアデノシンA1受容体を介してがん細胞の増殖能、浸潤能を亢進し、薬剤によるシグナル阻害で抑制された。ATPをAMPに変換するENTP1/CD39の発現はがん細胞ではなく、腫瘍内に浸潤するマクロファージ、形質細胞に発現することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により甲状腺癌では炎症細胞に発現するENTP1/CD39及び甲状腺癌細胞に発現するNT5E/CD73によって細胞外アデノシンの産生を促進する微小環境を形成していることがわかった。細胞外アデノシンはアデノシンA1受容体を介してがん細胞の増殖、浸潤を促進しており、細胞外アデノシン-アデノシン受容体シグナルを標的とした薬剤、抗体医薬品の開発は甲状腺癌の有用な新規治療法となる可能性がある。また細胞外アデノシンは細胞障害性T細胞、NK細胞に対する抑制作用が知られている。本研究の結果から甲状腺がん微小環境で産生される細胞外アデノシンが甲状腺癌に対する腫瘍免疫を抑制的に制御している可能性が示唆された。
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