研究課題
基盤研究(C)
過酸化DAGを起点とした肝線維化の分子機構について解析を行った。四塩化炭素投与により肝線維化が誘導されたマウス肝組織では過酸化DAGが有意に増加していた。また、過酸化DAGの還元消去能を有するエブセレンを投与することで、過酸化DAGの増加は抑制され、肝線維化病態が改善した。マウス肝星細胞の初代培養細胞に過酸化DAGを作用させると、肝星細胞は活性化され筋線維芽細胞様に変化した。以上の結果から、酸化ストレスにより産生される過酸化DAGは肝線維化のkey分子として作用していることが明らかとなった。
本研究の成果は、これまで漠然とした傷害作用として捉えられてきた酸化ストレス傷害を、特定の機能性脂質分子(DAG)の過酸化による特定のPKCアイソザイムの活性化と情報伝達異常、さらにはこれに対応する酸化ストレスシグナル抑制分子による制御応答といった分子レベルでの理解を可能とし、本研究で対象としている肝線維化疾患ばかりでなく、酸化ストレスが関与するとされる、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、動脈硬化症、虚血―再疎通疾患などの種々の疾患の病因の厳密な追求、解明を行う際の重要な拠点となるものと思われる。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
Int J Mol Sci.
巻: 96 号: 13 ページ: 3141-3141
10.3390/ijms20133141
Vet Pathol.
巻: 56 ページ: 609-613
分子精神医学
巻: 19 ページ: 244-247
Microscopy and Microanalysis
巻: 25 号: S2 ページ: 1344-1345
10.1017/s1431927619007451
Pharmacometrics
巻: 96 ページ: 1-10
Transl Psychiatry.
巻: 9 号: 1 ページ: 1-12
10.1038/s41398-019-0427-4
40022096063
Physiol Res.
巻: 67 ページ: 601-612
Reprod Toxicol.
巻: 82 ページ: 57-62
Science of Food
巻: - 号: 1 ページ: 1-11
10.1038/s41538-017-0009-x
Sci Rep
巻: 12 号: 1 ページ: 11405-11405
10.1038/s41598-017-11319-5
Artif Organs
巻: 41(4) 号: 4 ページ: 319-326
10.1111/aor.12864
J Invest Dermatol.
巻: 136 号: 6 ページ: 1143-1149
10.1016/j.jid.2016.02.802
Ther Apher Dial.
巻: 20 ページ: 645-654