研究課題/領域番号 |
16K08805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 宏樹 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (50418654)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイルス / ニパウイルス / N蛋白 / インターフェロン / ニパウイル / 核移行 / ウィルス |
研究成果の概要 |
1本鎖マイナス鎖RNAをゲノムにもつパラミクソウイルス科のウイルスは、それぞれの感染宿主に対し激しい病原性を示すものが多い。特にパラミクソウイルスP遺伝子が産生する蛋白が宿主細胞の自然免疫応答を抑制することが知られており、その機序が広く解明されている。 申請者らは、パラミクソウイルスに属するニパウイルスのN蛋白が、P蛋白同様に宿主細胞のインターフェロン(IFN)応答経路をブロックすることを発見し、特にIFN応答の中心であるSTAT分子の核移行を阻害することを見出した。 このN蛋白の新規活性は、ニパウイルスが持つ高い致死率と強い病原性の発現の一端を担うものであると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニパウイルスは1998年にマレーシアで出現したエマージングウイルスで、その後もバングラデシュで毎年流行が報告されており、近年致死率は75%に達している。ニパウイルスはたった8個のウイルス蛋白を産生するが、脳炎をはじめとする激しい病原性を示す。 宿主細胞は、ウイルスの感染に対抗すべくIFN産生を中心とした自然免疫応答を獲得してきたが、ウイルス側も様々なメカニズムでそれらを無効化するよう進化してきた。今回明らかになった、ニパウイルスN蛋白によるIFN応答経路の阻害は、ニパウイルスの病原性の解明の一端につながると考えられ、ニパウイルス感染症の制圧のヒントとなることが期待される。
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