研究課題/領域番号 |
16K08808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中野 雅博 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (90456997)
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研究協力者 |
古寺 哲幸
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 転写 / 複製 / 原子間力顕微鏡 / RNAウイルス / 高速原子間力顕微鏡 / ライブイメージング |
研究成果の概要 |
本課題では、微細構造学的観点からインフルエンザウイルスゲノムの転写・複製機構を明らかにすることを目的とし、高速原子間力顕微鏡を用いてRNA合成中のインフルエンザウイルスリボヌクレオタンパク質複合体(vRNP)の解析を行った。その結果、in vitro RNA合成中のvRNPは、①二重らせん構造を維持した状態で二次構造を形成したRNAと結合、あるいは、②二重らせん構造が崩れた状態でループ状のRNAと結合、のいずれかの状態で存在することを明らかにした。さらに、ループ状RNAは二本鎖RNAであることを明らかにし、インフルエンザウイルスがゲノム複製の過程において二本鎖RNAを生じる可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNA合成中のリボヌクレオタンパク質複合体(vRNP)の構造については、インフルエンザウイルスのみならずその他のウイルスでも報告がなく、本課題において初めてその微細構造を明らかにできたという点で学術的意義は大きい。また、インフルエンザウイルスは感染細胞内では二本鎖RNAを作らないと従来考えられてきたが、本成果によりvRNPがin vitroにおいて二本鎖RNAを合成することが明らかとなった。ウイルスの二本鎖RNAは宿主の自然免疫応答を引き起こすことから、感染細胞内でも二本鎖RNAを形成させるような条件を今後確立できれば、新たな治療薬の開発へとつながりその社会的意義も大きいと考える。
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