研究課題
基盤研究(C)
閉経における血管老化動脈硬化進展の分子機序を検討した。培養血管平滑筋細胞を使った研究においてエストロゲン受容体を阻害したところ、マイトファジー低下による異常ミトコンドリアの蓄積から細胞老化が進展した。正常マウスに卵巣摘除を行った研究でも、マイトファジー低下から異常ミトコンドリアが蓄積し血管老化が進展した。エストロゲン補充によりマイトファジーと血管老化は回復したが、これらはAtg5やAtg7には非依存性であり、Rab依存性であったことから、オルタナティブオートファジがこのマイトファジーの主体であると考えた。
閉経に伴う血管老化・動脈硬化の進展機序にRab9-依存性オルタナティブオートファジーを主体にしたマイトファジーの低下が関与することが本研究により明らかとなった。現在、閉経女性に対してホルモン補充療法が施行されるが、様々な副作用の問題がある。今回の我々の研究成果は、ホルモン補充療法に代わる新たな治療方法の確立に寄与できるものと考えている。
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