研究課題
基盤研究(C)
好酸球性消化管疾患の発症関連因子としての体内細菌叢の関与を明らかとするための検討を行った。まず、好酸球性消化管疾患の中で患者数が最も多い好酸球性食道炎の患者を対象として検討を行った。好酸球性食道炎患者はプロトンポン阻害薬を使用中の例が大部分であるため、コントロース群として10例のプロトンポンプ阻害薬未使用の健常者とともに10例の標準用量のプロトンポンプ阻害薬を1か月以上連続使用した健常者の2群を用いた。細菌叢の解析は唾液、デンタルプラーク、便を用いて16S ribosomal RNAの可変領域の塩基配列を次世代シークエンサーを用いておこなった。プロトンポンプ阻害薬使用例は健常者であっても口腔内細菌叢、腸内細菌叢に非使用者と比較してごくわずかな変化を認め、特に腸内細菌叢、口腔内細菌叢ともにStreptococcus属を中心とした増加が認められた。一方、検討した20例の好酸球性食道炎患者の口腔内と腸内細菌叢にはユニークな変化が認められた。口腔内細菌叢には好酸球性食道炎に特異的な変化は認められなかった。一方、腸内細菌叢はプロトンポンプ阻害薬使用、未使用の2種のコントロール群と大きく異なる細菌叢の変化がみられた。このような変化は逆流性食道炎患者では全く観察されなかった変化であり、好酸球性消化管疾患に特有の変化である可能性が示唆された。このような変化が発症に関わっているのか、疾患が発症したために二次的に起こった変化であるのかを明らかとするために、今後活動期の好酸球性食道炎患者と治療によって緩解状態となった好酸球性食道炎患者の腸内細菌叢を比較することが必要となると考えられる。さらに、好酸球性炎症を消化管内に起こす好酸球性胃腸炎などの疾患で同様に腸内細菌叢の異常があるかどうかを検討し、好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎の類似性を検討することも必要であると考えられる。
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