研究課題
基盤研究(C)
食道ー胃接合部癌は、胃癌とも食道癌とも異なる特徴を有した癌である。接合部癌はヘリコバクター・ピロリ菌の除菌や、高脂肪高カロリーの西洋食摂取に伴う肥満の増加に並行して本邦でも増加しているが、その病態ならびに発生の分子メカニズムは明らかにされていない。本研究では、接合部癌においてDNAメチル化異常により発現が変化する分子の探索を行った。食道ー胃接合部癌にはバレット腺癌と、非バレット腺癌が含まれているので両者を分類して検討を進めた結果、見出した分子の中でGSTO2はバレット腺癌においてのみDNAメチル化亢進によりその発現が抑制されることを明らかにした。
近年、食道ー胃接合部には食道重層扁平上皮細胞の供給源となる基底細胞や、胃腺底部に存在する幹細胞とは異なる形質を有した胚性上皮細胞が存在することが示され、更にマウスモデルを用いた研究よりこの胚性上皮細胞がバレット上皮の起源となることが報告されている。本研究で見出したGSTO2分子は、ヒトおよびマウスの正常食道ー胃接合部に存在する胚性上皮細胞に限局して発現していたため、バレット食道の起源である胚性上皮細胞の生理的・病理的な動態解明に有用なマーカーとなる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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