研究課題/領域番号 |
16K09370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
滝川 康裕 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50254751)
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研究協力者 |
王 挺
柿坂 啓介
鈴木 悠地
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 急性肝不全 / 肝再生不全 / サイトカイン / 細胆管反応 / 肝細胞 / IL-8 / 肝前駆細胞 / 肝再生 / 胆管細胞 / 偽胆管 |
研究成果の概要 |
肝再生不全の際に認められる細胆管反応(偽胆管形成)に寄与する患者血液中の因子を特定し、その因子がどのような機序で再胆管反応を引き起こすのかを実験的に検索した。臨床的研究で血液中の因子の中でIL-8が最も増加していることを確認し、次に実験的研究で、IL-8が成熟肝細胞の増殖を抑制し、肝前駆細胞の増殖を促進することを見出した。さらに、IL-8は成熟肝細胞に作用して、胆管細胞の性質に転換させることを見出した。このことから、患者血液中のIL-8が肝再生不全因子の一つである可能性が示され、臨床的に、血液浄化を行う際の浄化標的になりうることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性肝不全は肝疾患の中で最も重篤な疾患で、急激な経過をたどる予後不良の疾患であり、専門施設での集中治療、人工肝補助治療あるいは肝移植など極めて高額な治療を必要とする。その理由は、急激かつ広汎な肝細胞死と肝再生不全にある。人工肝補助が発達し、高率に昏睡からの覚醒が得られるようになった現在、内科的救命に向けての最大の障壁は肝再生不全である。本研究は急性肝不全において肝再生不全を引き起こしている物質の候補の一つとしてIL-8を同定し、血液浄化療法の標的分子のとして位置づけることができた。将来の血液浄化療法の開発に重要な情報を与えると考える。
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