研究課題
基盤研究(C)
我々はゲノムワイド関連解析により新規高血圧感受性遺伝子ATP2B1を同定した。この遺伝子は細胞内からCaイオンを排泄するPMCA1をコードする。我々はATP2B1血管平滑筋特異的KOマウス、全身ヘテロATP2B1KOマウスを作製し、血圧上昇機序に細胞内Ca動態変化やNOS活性の変化が関与し、骨密度やPTH分泌など血圧以外のCa動態にも関与していることを報告した。さらに、ATP2B1が高血圧合併腎障害に関わっていることが示唆された。また、人においてもATP2B1と動脈硬化の直接的な関連を検討するため、新規動脈硬化指標CAVIを測定した人を対象にATP2B1の有力なSNPを網羅的に解析している。
高血圧症は心血管疾患、脳血管障害の重大なリスクの一つである。本態性高血圧の機序解明、治療戦略開拓のため、ヒトゲノムを網羅的に調べ本態性高血圧候補遺伝子として最も関連がある遺伝子としてATP2B1を同定した。この遺伝子が血圧に関与するメカニズムを解明することで本態性高血圧の新たな治療法開発に繋げることができる。さらに、ヒト個々の遺伝子変異、SNPsに応じたテーラーメイド医療の開発に繋げる事ができる。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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