研究課題
基盤研究(C)
メタボリック症候群や高血圧は心房細動のリスクとなるが、これらの疾患が心房に与える影響は完全には解明されていなかった。我々はこれらの病態モデルマウス心房のマイクロRNAを網羅的に解析し、高脂肪食負荷モデルではmiR-27bの発現が亢進し、コネキシン40の発現を抑制することで心房の伝導障害を生ずることを見出した。また、血中マイクロRNAを定量して、心房細動のバイオマーカーとなる4種のマイクロRNAを同定し、心房細動診断パネルを作成した。これらの成果は、今後心房細動の早期発見・早期治療へと発展が期待される
心房細動は日本で最も患者数の多い頻脈性不整脈であり、患者数は約100万人と報告されている。しかし、心房細動の40%は無症状であることなどの理由により、診断に至っていない患者数も100万人前後いると考えられている。心房細動の最も重篤な合併症は脳梗塞であり、抗凝固薬による予防が有効だが、心房細動の診断にいたらないまま脳梗塞が初発症状となることが問題となっている。本研究では、心房細動の発症メカニズムとしてのマイクロRNAの寄与と、バイオマーカーとしての血中マイクロRNAについて検討し、血液検査による新たな心房細動診断パネルを確立した。今後、心房細動の早期発見・先制医療への応用が期待される。
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