研究課題
基盤研究(C)
肺サーファクタントは肺胞の安定性を維持する界面活性物質で、約9割が脂質、1割がタンパク質で構成されているが、この脂質組成の変化と肺の病態との関連性に関してはほとんど明らかにされていない。我々は脂肪酸の鎖長伸長に関与するElovl6を欠損させたマウスにおいて、喫煙曝露に伴う肺気腫病変が増悪することを見出した。さらにこのマウスでは、肺サーファクタントの脂質組成に関わる酵素や肺気腫病変の形成を左右するタンパクの発現が著明に減少しており、Elovl6の発現変化による脂肪酸組成の不均衡が肺気腫病変の形成に重要な役割をしていることを見出した。
肺サーファクタントの合成・機能異常により、肺気腫を呈することが報告されているが、これまで肺サーファクタントタンパクを中心に研究が進んでおり、脂質の病態意義に関しては明らかにされてこなかった。我々の結果から、喫煙刺激によってElovl6の発現や活性が変化し、その変化に伴って肺局所の脂肪酸組成が変化し、肺気腫の病態に影響することから、新たな病態機序の解明や創薬、治療応用へつながることが期待される。
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