研究課題/領域番号 |
16K09605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 杏林大学 (2018) 東京大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
川上 貴久 杏林大学, 医学部, 学内講師 (10722093)
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研究分担者 |
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50232509)
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
田中 哲洋 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90508079)
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研究協力者 |
篠原 明成
那須 かほり
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 炎症 / 尿細管細胞 / 解糖系 / Mint3 / 尿細管間質傷害 / 低酸素 / NF-κB / アポトーシス / 代謝リプログラミング / 2-デオキシグルコース / マクロファージ |
研究成果の概要 |
細胞の代謝経路の一つである解糖系を阻害する2-デオキシグルコースの投与でマウスの両側腎虚血再灌流傷害が軽減されることが示された.これは同薬剤が尿細管細胞の脂肪酸のβ酸化やペントースリン酸回路を亢進し,ATPが増加するためである.また,Mint3という分子は,尿細管細胞でNF-κBの作用を亢進を介して抗アポトーシス作用をもつ分子の発現を増加させることで,慢性腎臓病における尿細管細胞のアポトーシスを抑制し,マウスの腎線維化を抑制するはたらきをもつことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病には根本的治療がなく,そのため透析導入などに繋がっている.そこで慢性腎臓病の進行に関わる炎症についてその機序の解明を目指し,主に二つのことを見出した.一つは,解糖系の阻害により腎尿細管細胞の代謝を変容させると,腎障害を軽減しうることである.二つめは,Mint3という分子がNF-κBを介してアポトーシスという細胞死を抑制することで,尿細管傷害を減弱し,慢性腎臓病の線維化を抑制することである.これらのことから,マクロファージなどの炎症細胞だけでなく,炎症を惹起する尿細管細胞などの上皮細胞傷害も炎症に重要な役割と果たすことが明らかとなった.
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