研究実績の概要 |
腎障害患者への急速な減塩(通常の塩分摂取より入院後5g/日食)が、腎機能やRA系に及ぼす影響について検討。4名の入院患者より同意を得られ、減塩前および急速減塩1週間後に評価。1例目:慢性腎不全。減塩前、血清クレアチニン(sCr)4.86mg/dl。血漿アルドステロン濃度(PAC)201pg/ml、レニン活性(PRA)3.5ng/ml/hr。急速減塩後、PAC148pg/ml、PRA3.3ng/ml/hrと変化なし。尿蛋白(UP)、7.76g/gCrより5.92g/gCr。2例目:慢性腎不全。減塩前sCr 1.62mg/dl、PAC124pg/ml, PRA 1.5ng/ml/hrより,減塩後sCr 1.70mg/dl。PAC99.2pg/ml,PRA 1.4ng/ml/hrと変わらず。UP 0.71g/gCrより0.44g/gCrに。3例目:著明な浮腫を伴ったネフローゼ症候群。減塩前sCr 0.61mg/dl、PAC<10pg/ml,PRA 0.3ng/ml/hrより、減塩後 sCr 1.92mg/dl。PAC<10pg/ml,PRA 0.4ng/ml/hrと変化なし。急速減塩にてUP 11.4g/gCrより7.57g/gCrに。sCr値増加は、糸球体負荷軽減によると考えられる。4例目:腎硬化症。減塩前sCr 1.93mg/dl,PAC143pg/ml, PRA3.5ng/ml/hrより、減塩後sCr 2.11mg/dl。PAC 279pg/ml, PRA7.7ng/ml/hrと増加。UPは1.17g/gCrより0.47g/gCrに。症例数を増やして検討予定も、共同研究者の退職等にて、継続が難しい状態に至った。得られた結果よりは、急速な減塩(5g/日)は、尿蛋白減少効果を示す結果となった。
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