研究課題
基盤研究(C)
我々は2012年にルシフェラーゼ免疫沈降による抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体測定系を樹立し,汎自律神経障害をきたす自己免疫性自律神経節障害(AAG)の調査を開始した.近年は限定的な自律神経症状を呈した抗体陽性症例,自律神経外症状を伴った抗体陽性症例などAAGの臨床的多様性を見出しつつある.自律神経障害としては起立不耐を83%の症例で認めた.他に下部消化管障害,排尿障害を高頻度に認めた.自律神経系外症状としては感覚障害は45%,中枢神経症状は33%,内分泌障害は15%でみられた.併存疾患とし腫瘍を10%,自己免疫疾患を30%で認めた.急性期から慢性期に及ぶ複合的免疫治療の有効性が示された.
自己免疫性自律神経節障害は自律神経系が免疫異常の標的となる比較的新しい疾患概念である.本症では抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体は病原性自己抗体として病態の鍵となる役割を果たす.我々は2012年にこの自己抗体測定を本邦で初めて可能とし,日本における自己免疫性自律神経節障害症例の調査に努めてきた.本症は自律神経系外の症候(中枢神経系障害,感覚障害,内分泌障害)や併存症(膠原病など),小児症例が存在することが判ってきた.この「多様性」が本症の診断しにくさ,難治化につながっていることがわかった.また慢性疲労症候群など本症と類似の症候を呈する疾患群との異同の解明も今後の研究上の重要な課題である.
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