研究課題
基盤研究(C)
本研究では、内分泌型FGFのうち、胆汁酸や脂質代謝制御に重要であると考えられているFGF19に着目し、膵外分泌腺における意義、肝脂質代謝における意義を解析した。FGF19による膵リパーゼ分泌促進作用をラットモデルにおいて明らかにすることに成功した。一方、FGF21にも膵リパーゼ分泌促進作用が認められた。FGF19の受容体であるbeta Klothoを欠失したラットをCRISPR/Cas9システムを用いて新規に作製したが、十分な頭数が得られず膵液回収実験は今後の課題とした。一方、beta Klotho欠損マウスはNASHの脂肪化・炎症・細胞障害のモデルとして有用であることが明らかとなった。
本研究により、脂質や脂溶性栄養素の消化と吸収、体内分配を統一的に制御するFGF19 - beta Klothoシステムの生理的、病態生理的意義が明らかとなった。これまで膵消化酵素の分泌を制御するホルモンとしては、セクレチンやコレシストキニンが知られていたが、本研究により回腸遠位から分泌される新しいホルモンFGF19が膵液量の増加を伴わずに膵消化酵素、特にリパーゼの分泌を促進することが明らかとなった。また近年、我が国においても有病率の増加が懸念されている非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態における胆汁酸・脂質代謝異常の実体が明らかとなった。
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