研究課題
基盤研究(C)
下垂体腫瘍における新規標的因子としてのPLZFに注目した。PLZFはマウス下垂体に強発現し、in vitroではGH産生下垂体腫瘍細胞株 (GH3)に発現を認め、主に核内、一部細胞質へ局在していた。PLZFは転写抑制因子として働くために核内への移行が必要であることからGH3細胞を用いて、局在変化を調節する因子について探索した。さらに、PLZFの下流シグナルについて検討した結果、脂質代謝、特にLDL受容体の発現制御に関わることが明らかとなった。ChIP-assayでLDL受容体の上流にPLZF結合サイトを確認し、ChIP-seqでの詳細な解析を進めた。
下垂体腫瘍の代表疾患である先端巨大症やクッシング病への治療選択肢は広がりつつあるが、治療困難例や薬剤抵抗性を示す症例もあり、新たな治療標的分子の探索は不可欠である。ホルモンの正常化に加え、腫瘍増殖の抑制効果を併せ持つ標的因子が望まれている。