研究課題
基盤研究(C)
非血縁者間造血幹細胞移植は造血器腫瘍などの根治的治療として国際的に実施されてる。人種により移植成績に違いがあるのか、人種に特異的な患者とドナーのHLAとどのように関連しているかを、HLA-A~DPB1アレルと移植情報からなる33,346患者・ドナーペアーの共通データベースを国際共同研究として作成し、解析した。白人の移植後の生存率は有意にアジア人より低く、ヒスパニックや黒人より有意に高いことが示された。さらに、移植免疫反応である移植片対宿主病(GVHD)や移植片対腫瘍効果(GVL)の発症頻度は人種により異なり、各人種のHLAの不適合数、不適合HLA座が関与していた。
非血縁者間造血幹細胞移植はそれぞれの国のレジストリー(骨髄バンクなど)を介して実施されており、異なった人種での移植成績が報告されている。本国際研究ではHLA-A~DPB1の精緻なアレル情報と臨床データを共有する多数例の共通データを解析することにより、人種別(白人、アジア人、ヒスパニック系、黒人)の移植成績を明らかにすることができた。とくにHLA不適合非血縁移植の人種間の比較成績と関連する人種特異的なHLAとの関連につき世界で初めて明らかにすることができた。今後の人種内、人種間の非血縁移植の成績向上に資する基本的な知見となろう。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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