研究課題
基盤研究(C)
ホスホリパーゼD4は関節リウマチ(RA)の疾患感受性遺伝子の一つであるが、詳細な機能は未知である。申請者はPLD4欠損型変異マウスがBリンパ球数的異常や胚中心の過形成を来し、高ガンマグロブリン血症、抗DNA抗体等の自己抗体、糸球体腎炎など、ヒト全身性エリテマトーデス(SLE)に類似する免疫異常を呈することを見出した。また、ヒトSLEの全ゲノム関連解析の結果、RAと同一のPLD4遺伝子多型を高頻度に有することを示した。これらの結果より、PLD4が(1)免疫システムの中でB細胞の恒常性、免疫寛容の維持に重要な働きを持ち、(2)生物種を超え普遍的に全身性自己免疫病に関与することが示唆された。
本研究は多因子疾患である膠原病の発病原因となる遺伝要因を全ゲノム関連解析で特定し、特に機能未知な遺伝子に着目し解析することで新規の病態理解の手掛かりを探索した。本研究の結果、ホスホリパーゼD4がB細胞免疫の免疫寛容に関わることが明らかとなり、将来の治療標的の可能性も含め、臨床応用への基盤構築が達成されたと考えらえる。
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Annals of the Rheumatic Diseases
巻: 78 号: 4 ページ: 509-518
10.1136/annrheumdis-2018-214116