研究課題
基盤研究(C)
好中球は白血球の一種で、細菌感染に対する生体防御の一次機構において中心的な役割を果たしている。感染巣において細菌を貪食した好中球は活性酸素等を産生して強力に殺菌作用を示す。このとき、活性酸素の産生に依存して細胞内蛋白質の分解機構のひとつであるオートファジーが誘導される。本研究の実験結果は誘導されたオートファジーが好中球の細胞死や、細胞質に豊富に含まれるカルシウム結合蛋白質であるS100A8/A9の分解、走化性因子のひとつであるIL-8産生などに影響を及ぼし、好中球が集積する細菌感染巣の病態形成や好中球機能に影響を及ぼしている可能性を示した。
本研究は易感染性患者の難治性、重症の細菌感染症に対する治療法として、抗菌薬を主体とした従来の考え方ではなく、生体防御機構を活用する観点から新たな治療戦略に繋げる点に特色がある。好中球機能におけるオートファジーの役割の詳細を明らかにすることにより、オートファジーを介した全く新しい好中球機能の制御法が期待される。これにより、抗菌薬だけでは解決できない易感染性患者の多剤耐性菌感染症に対する新規治療法の開発に繋がり、治療成績の向上が期待される。また、過剰な好中球機能の発現による炎症病態に対する新たな抗炎症の治療法の開発に繋がることも期待される。
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