研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、超低出生体重児(VLBW)と正常出生体重児(NBW)の発達上の特徴を比較することである。共同注意を評価するため半構造化観察スケールを開発し、信頼性を確認した。 NBW、VLBW各々10人の声を修正12カ月から3ヶ月毎に記録し、経時的にフォルマント音声解析を行った。定型発達児では、F1、F2の明らかな広がりを認めたが、修正24ヵ月の行動テスト非通過児( NBW1人、VLBW3人)では認めなかった。双胎児5組とその母親の睡眠行動をアクチグラフで縦断的に記録した。両児が同時に眠っている時間割合は月齢と共に増加した。母親の睡眠時間は両児が同時に眠っている時間と正の相関を示した。
乳幼児期の発達を正しく評価し、早期から適切な介入を行うことは極めて重要である。出生体重が1,500g未満で生まれた児(VLBW児)では、正体重児(NBW児)に比べて、知的障害や自閉スペクトラム症の発症頻度が高いことが知られている。我々はVLBW児の修正1~2歳時におけるフォルマント音声解析の結果から、将来の予後を予測できる可能性を示した。また、双胎児においては当初は全くバラバラであった睡眠リズムが修正7-8カ月ごろに同期し、それと共に母親の睡眠行動が改善していくことを定量的に示した。双胎児の母親に多い睡眠不足からくるイライラ感を解消させ、虐待防止へとつながる成果と考えている。
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