研究課題
基盤研究(C)
本研究では、Nsd1遺伝子を大脳皮質、海馬、嗅球特異的にノックアウトすることによって、Sotos症候群の学習障害モデルマウスの作製を試みた。まず、このマウスにおいて、RT-PCRより、大脳皮質、嗅球特異的にNsd1がノックアウトされていることを確認した。また、このマウスは、生後6週までは低体重を示すが、それ以降は通常の発育を示し、雌雄共に生殖能力を有していた。現在、このマウスの戻し交配を6回終え、解析できる状態となった。一方、Nsd1タンパクの標的遺伝子を同定するために、Nsd1遺伝子の下流に3xTY1タグを挿入したマウスの作製を試みているが、うまくいっていない。さらなる工夫を要する。
Sotos症候群(SoS)の特徴は、過成長、特異的顔貌、学習障害である。その原因遺伝子は、ヒストンH3リジン36メチル化酵素をコードするNSD1遺伝子であり、そのハプロ不全によって発症する。過去にNSD1のノックアウトマウスが作製されたが、ハプロ不全に相当するヘテロ欠損マウスの表現型は正常であり、一方、ホモ欠損マウスは胚性致死を示した。このように現在のところ、SoSのモデルマウスはない。また、SoSにおいて、QOL上、最も問題となるのは、学習障害である。本研究によるSoS学習障害モデルマウスの樹立は、その発症メカニズムの解明だけでなく、学習障害に対する治療法の開発に役立つと考える。
すべて 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (2件)
Clin Epigenetics
巻: 10 号: 1 ページ: 150-150
10.1186/s13148-018-0578-9
Epigenetics & Chromatin
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http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/mbg/
http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/mbg/index.htm