研究課題
基盤研究(C)
ダウン症候群では新生児期に一過性骨髄異常増殖症(TAM)と呼ばれる前白血病状態が高率に起こる。申請者はヒトiPS細胞とゲノム編集技術を用いてTAMの病態解明に取り組み、21番染色体上で造血異常に強く関与する4Mbの重要領域(Critical Region)を同定することに成功した。さらに21トリソミーiPS細胞において、遺伝子発現プロファイルによってピックアップされたRUNX1, ETS2, ERGの3つの遺伝子の欠失を導入し、これらがGATA1変異との相互作用によってダウン症の造血異常ならびにTAM発症を制御する重要責任遺伝子であることを明らかにした。
本研究において、ダウン症候群の新生児に頻発し高い頻度で重篤化する一過性骨髄異常増殖症(TAM)の発症メカニズムを明らかにし、さらにその責任遺伝子を同定することができた。これによりTAMの診断・治療法の開発が進むと思われる。さらに、今回我々が作成したiPS細胞疾患モデルは、前白血病段階から白血病へと進む造血性腫瘍の多段階発症メカニズムの解明に役立つと思われ、今後白血病の治療法開発へとつながると期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
PLOS ONE
巻: 14 号: 7 ページ: 0219592-0219592
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Cell Reports
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