新生児ループスによる心筋障害の胎内診断法確立と胎児治療法開発のための研究

• 研究課題/領域番号: 16K10114
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 胎児・新生児医学
• 研究機関: 久留米大学
• 研究代表者: 前野 泰樹 久留米大学, 医学部, 准教授 (90248401)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 母体抗SS-A抗体 / 新生児ループス / 胎児心機能 / 胎児心筋炎 / 胎児治療 / 母体抗SSA抗体陽性 / 内科

研究成果の概要

抗SS-A抗体陽性母体による新生児ループスにおいて、胎盤移行した自己抗体による胎児心筋への影響の有無を明らかにするため、胎児心エコー検査にて経時的な心機能を調査した。2017年度に2016年までの複合的な心機能の指標であるTei indexを集計したところ異常値を持つ胎児が散見されたため、一般的な計測法の誤差をなくし、さらに詳細な当容収縮期(ICT)や当容拡張期(IRT)を解析するために、2017年度からDual Doppler法により同一心拍で評価した。その結果、それ以降はICTとIRTの延長によるTei indexの異常を認めたのは１例のみであり、通常は胎児の心機能は保たれていた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

抗SS-A抗体陽性母体において、胎盤移行した自己抗体による胎児心への影響として、完全房室ブロックに関しては早期発見法や胎児治療法について研究がなされているが、これまで、胎児の心筋への影響について詳細な研究が無かった。今回、胎児心機能が低下を認める症例が少ないこと、および、Tei index、特にICTやIRTの計測により心機能低下症例を確認できることが分かった。今回の結果をもとに、今後、心機能異常症例について胎児治療の適応を評価するようになることが期待される。

研究成果

• [雑誌論文] 胎児心不全：不整脈の重症度をどう評価する (2019)
  • 著者名/発表者名: Maeno Yasuki
  • 雑誌名: 日本小児循環器学会雑誌 巻: 35 号: 4 ページ: 221-227
  • DOI: 10.9794/jspccs.35.221
  • NAID: 130007797783
  • ISSN: 0911-1794, 2187-2988
  • 年月日: 2019-11-01
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Antenatal Therapy for Fetal Supraventricular Tachyarrhythmias (2019)
  • 著者名/発表者名: Miyoshi T, Maeno Y, Hamasaki T, Inamura N, Yasukochi S, Kawataki M, Horigome H, Yoda H, Taketazu M, Nii M, Hagiwara A, Kato H, Shimizu W, Shiraishi I, Sakaguchi H, Ueda K, Katsuragi S, Yamamoto H, Sago H, Ikeda T
  • 雑誌名: Journal of the American College of Cardiology 巻: 74 号: 7 ページ: 874-885
  • DOI: 10.1016/j.jacc.2019.06.024
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] The impact of intrauterine treatment on fetal tachycardia: a nationwide survey in Japan (2017)
  • 著者名/発表者名: Ueda K, Maeno Y, Miyoshi T, Inamura N, Kawataki M, Taketazu M, Nii M, Hagiwara A, Horigome H, Shozu M, Shimizu W, Yasukochi S, Yoda H, Shiraishi I, Sakaguchi H, Katsuragi S, Sago H, Ikeda T; on behalf of Japan Fetal Arrhythmia Group
  • 雑誌名: J Matern Fetal Neonatal Med 巻: in press 号: 19 ページ: 2605-2610
  • DOI: 10.1080/14767058.2017.1350159
  • 査読あり
• [雑誌論文] Antenatal antiarrhythmic treatment for fetal tachyarrhythmias: a study protocol for a prospective multicentre trial (2017)
  • 著者名/発表者名: Takekazu Miyoshi, Yasuki Maeno, Haruhiko Sago, Noboru Inamura, Satoshi Yasukochi, Motoyoshi Kawataki, Hitoshi Horigome, Hitoshi Yoda, Mio Taketazu, Makio Shozu, Masaki Nii, Akiko Hagiwara, Hitoshi Kato, Wataru Shimizu, Isao Shiraishi, Heima Sakaguchi, Keiko Ueda, Shinji Katsuragi, Tomoaki Ikeda, H Yamamoto, T Hamasaki
  • 雑誌名: BMJ Open 巻: 7 号: 8 ページ: e016597-e016597
  • DOI: 10.1136/bmjopen-2017-016597
  • NAID: 120007134665
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 母体抗SS-A抗体陽性の先天性完全房室ブロックの胎児における子宮内胎児死亡の危険因子 (2016)
  • 著者名/発表者名: 鈴木 孝典, 林 泰佑, 小野 博, 前野 泰樹, 堀米 仁志, 村島 温子
  • 雑誌名: 日本小児循環器学会雑誌 巻: 32 号: 1 ページ: 19-25
  • DOI: 10.9794/jspccs.32.19
  • NAID: 130005132500
  • ISSN: 0911-1794, 2187-2988
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 母体抗SS-A抗体関連胎児心疾患のステロイド治療：積極的使用の立場から。シンポジウ、胎児徐脈性不整脈の胎児治療とハイリスク症例への対応。 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第55回日本小児循環器学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 胎児・新生児の不整脈。 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第64回日本新生児成育医学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 胎児不整脈治療の最前線。 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第17回胎児治療学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] Novel screening method of fetal premature contraction evaluated from simple arterial Doppler flow image. (2019)
  • 著者名/発表者名: Maeno Yasuki, Teramachi Yozo, Hirose Akiko, Kozuma Yutaka, Horinouchi Takashi, Suda Kenji.
  • 学会等名: 29th World Congress on Ultrasound in Obstetrics and Gynecology
  • 国際学会
• [学会発表] 経母体的ステロイド投与による胎内治療を受けた抗SSA抗体に起因する完全房室ブロック新生児の副腎機能不全 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹、廣瀬彰子、前田靖人, 吉本裕良, 籠手田雄介, 岸本慎太郎, 須田憲治
  • 学会等名: 第55回日本小児循環器学会
• [学会発表] 経母体的ステロイド投与による胎内治療を受けた抗SSA抗体に起因する完全房室ブロック新生児の副腎機能不全 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹、廣瀬彰子、進藤亮太、七種護、木下正啓、海野光昭、上妻友隆
  • 学会等名: 第55回日本周産期・新生児医学会学術集会
• [学会発表] 教育セミナー：両大血管右室起始症の周産期管理 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第25回日本胎児心臓病学会
  • 招待講演
• [学会発表] カウンセリング -家族への配慮- (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第１回九州山口胎児心臓病研究会
  • 招待講演
• [学会発表] 新生児のEKGモニタリング (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第3回韓日NICUケアフォーラム
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 教育セミナー、胎児の心不全：不整脈の重症度をどう評価する？ (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第54回日本小児循環器学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 自宅での胎児超音波ドプラ心音計を使用した抗SSA抗体陽性母体妊娠管理 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第54回日本小児循環器学会学術集会
• [学会発表] 自宅での胎児超音波ドプラ心音計を使用した抗SSA抗体陽性母体妊娠管理 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第54回日本周産期新生児医学会学術集会
• [学会発表] Fetal cardiology. General approach to diagnosis and treatment of fetal arrhythmias. (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: The 7th Congress of Asia Pacific Pediatric Cardiac Society
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Fetal cardiology. Fetal cardiomyopathies; diagnosis and treatment. (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: The 7th Congress of Asia Pacific Pediatric Cardiac Society
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Fetal cardiology. Current topics for treatment of fetal arrhythmia. (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: The 7th Congress of Asia Pacific Pediatric Cardiac Society
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 新生児科医のための心エコー検査。必須技術および胎児異常所見の出生後評価ポイント (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第63回新生児成育医学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 抗SSA抗体による胎児完全房室ブロックの診断と管理 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 日本胎児心臓病学会、第3回レベルII胎児心エコー講習会
  • 招待講演
• [学会発表] 抗SSA抗体による胎児房室ブロックの胎児治療に向けた新しい早期発見方法の提案 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第16回日本胎児治療学会学術集会
• [学会発表] スクリーニングにおけるカラードプラの使い方. (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第6回あおもり胎児心臓病研究会
  • 招待講演
• [学会発表] ここがポイント：胎児心エコーの基本とコツ。そしてスクリーニング． (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 福井胎児心エコー研究会
  • 招待講演
• [学会発表] 周産期からの健やかな発達―最近の進歩 (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第11回柳川療育セミナー
  • 招待講演
• [学会発表] 胎児徐脈性不整脈の鑑別診断と治療 (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第19回日本イアンドナルド超音波研究会
  • 招待講演
• [学会発表] 見逃せない胎児心疾患のエコー診断：スクリーニング法のポイント (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 北九州産婦人科医会臨時研修会
  • 招待講演
• [学会発表] High incidence of abnormal Tei index in the fetuses with maternal anti-SS-A antibody. (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 7th world Congress of Pediatrics Cardiology and Cardiac Surgery.
  • 国際学会
• [学会発表] High incidence of abnormal Tei index in the fetuses with maternal anti-SS-A antibody. (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 27th World Congress of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology
  • 国際学会
• [学会発表] Cardiac function of the fetuses with positive maternal anti SS-A antibody. (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 3th Japan-China-Korea Pediatric Heart Forum with Asian Pacific Symposium
  • 国際学会
• [学会発表] 新生児外来が6歳以上でも長期フォローアップを担当している児の実態 (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第62回日本新生児成育医学会・学術集会
• [学会発表] Perinatal course of the fetuses diagnosed to isolated persistent left superior vena cava. (2016)
  • 著者名/発表者名: Maeno Y, Hirose A, Horinouchi T, Kozuma Y, Ushijima K, Yamashita Y
  • 学会等名: 26th World Congress on Ultrasound in Obstetrics and Gyneclogy
  • 発表場所: Rome, Italy
  • 年月日: 2016-09-25
  • 国際学会
• [学会発表] 出生前に発見された左上大静脈遺残（LSVC）を有する胎児症例の周産期予後 (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹，廣瀬彰子，進藤亮太，七種 護，木下正啓，原田英明，堀之内崇士，上妻友隆，堀 大蔵，岩田欧介
  • 学会等名: 第52回日本周産期・新生児医学会学術集会
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 2016-07-16
• [学会発表] 胎児診断された左上大静脈遺残（LSVC）症例の周産期経過 (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹，廣瀬彰子，鍵山慶之，吉本裕良，岸本慎太郎，山下裕史朗，須田憲治
  • 学会等名: 第52回日本小児循環器学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-07-06
• [学会発表] 胎児診断のピットフォールから学んだこと．胎児不整脈診断のピットフォール (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 学会等名: 第52回日本小児循環器学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-07-06
  • 招待講演
• [図書] 胎児3D・4D心臓超音波検査。特集：小児科医のための新しい画像診断の知識。小児科 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 7
  • 出版者: 金原出版
• [図書] 胎児・新生児の不整脈。新生児学テキスト。日本新生児成育医学会編。 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 7
  • 出版者: メディカ出版
• [図書] 胎児診断各論 頻脈性不整脈．胎児心エコーのすべて。川瀧元良編集 (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 8
  • 出版者: メジカルビュー社
• [図書] この画像をどう読むか？ 心臓の大血管流出路の異常を診断するポイントは？ (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 4
  • 出版者: 臨床婦人科産科
• [図書] 新しい超音波検査技術，bi-planeについて (2017)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 2
  • 出版者: 臨床婦人科産科
• [図書] ガイドラインに基づく 胎児心エコーテキスト スクリーニング編 (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 13
  • 出版者: 金芳堂
• [図書] 図解とQ&Aここまで分かるステップアップ新生児循環管理。 (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 10
  • 出版者: メディカ出版
• [図書] NEONATAL CARE (2016)
  • 著者名/発表者名: 前野泰樹
  • 総ページ数: 5
  • 出版者: メディカ出版