研究課題
基盤研究(C)
反復拘束ストレスを負荷したラットで、脳内のグルココルチコイド受容体(GR)およびGR阻害因子であるFKBP5を測定した。1日3時間、7日間の拘束ストレス負荷(RS7)により、強制水泳の無動時間が有意に増加した。RS7により血中コルチコステロン基礎値は有意に増加した。RS7によって脳内のGRは不変であったが、扁桃体でFKBP5が有意に増加し、これはSSRIであるシタロプラム(10 mg/kg)の14日間投与で拮抗された。以上より、扁桃体のFKBP5がラットのうつ様行動と関連していることが示唆された。一方、自殺者死後脳の前頭葉でFKBP5が有意に低下しており、FKBP5とうつ病の関係も示唆された。
複数の多型研究でうつ病との相関が報告されているGR阻害因子FKBP5について、うつ病モデルラットの扁桃体で変化を検出した。FKBP5はカルシニューリンの促進因子でもあり、mTOR系を介してオートファジーを調節するなど、多面的な機能を持つことが報告されている。今後、本研究の結果を手がかりとして、HPA系だけでなく、カルシニューリン系、mTOR系やオートファジーとうつ病との関連へ研究を広げ、将来の新規抗うつ薬の開発につなげていきたい。
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