研究課題
基盤研究(C)
自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠如多動性障害(ADHD)は出現頻度の高い疾患であるにもかかわらず生物学的な検査法は存在しておらず、診断あるいは治療のための生物学的マーカーも存在していない。本研究においては非侵襲的な検査法であるアイトラッカーを用いて視線計測を行い、両群の所見を比較することを行なった。健常成人群とADHDにおいて左右の注視時間に有意な差はなかったが,ASD群においては左側(誤信念側)への注視時間は有意に短かかった。この結果はASDにおいては心の理論が障害されているが、ADHDにおいては保たれていることを示し、両者の鑑別点となりうることを意味している。
成人期におけるADHDとASDは、しばしば類似した臨床像を示すため両者の鑑別が難しい。しかしながら現状では、診断に利用できる生物学的な指標は存在していない。本研究は、成人期のADHD とASD を臨床的に鑑別可能な生物学的指標を求めることを目的としている。このため、ADHD とASD の成人当事者を対象として、動画を視聴時におけるアイトラッカーによる視線計測を行なった。その結果、ASDと異なり、ADHDにおいては「心の理論」の機能が保持されていることが明らかになり、この障害が両者の鑑別点になる可能性を示した。
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