研究課題/領域番号 |
16K10334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
圓見 純一郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (80393205)
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研究分担者 |
黄田 育宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室, 主任研究員 (60374716)
辻 雅弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80579467)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 低酸素性虚血性脳症 / 脳神経疾患 / MRI |
研究実績の概要 |
低酸素性虚血性脳症(HIE)は窒息や溺水などにより脳への酸素供給が不十分になることで生じる脳障害であり、特に新生児において問題となる。新生児においては出生時の早期胎盤剥離、出生後の無呼吸発作などにより発症する。新生児HIEは脳性麻痺や精神遅滞などの重篤な後遺症に繋がる可能性があるので、個々の新生児患者の予後を的確に予測し、最適な治療を選択して適用することが重要である。MRIは新生児HIEの診断に広く使われているが、現状では予後予測精度が低い。本研究では、HIEモデルラット/マウスを用いて、MRIによる予後予測に関して検討を行う。臨床検査で一般的に行われている形態画像を使ったマクロな脳組織障害の評価に加え、functional MRI(fMRI)やdiffusion tensor imaging(DTI)の様な脳機能イメージングを応用することで予後予測精度の向上を目指す。 本研究では幼若ラット/マウスを対象にfMRIやDTIの様な精密測定を行うが、これらの測定は成獣を対象に行われることが多く、幼若動物での測定は一般的ではない。また、成獣に比べて幼若動物は体力が低く、その病態モデルは更に体力が落ちているため、撮像中に死亡する危険性もある。そこでまず、7日齢で低酸素虚血負荷した12日齢のラットを用いて撮像条件の検討を行った。既存のマウス用のRFコイルと固定具を利用したところ、RFコイルの感度不均一に起因する信号不均一(感度ムラ)が見られ、体動アーチファクトが見られることもあったが、信号雑音比は十分であり、比較的良好な画像が得られた。また、心拍と呼吸をモニタしながら麻酔と呼吸の管理を行ったところ、ラットが撮像中に死亡することもなかった。今後、感度ムラと体動アーチファクトを軽減することで、幼若ラットのHIEモデルを対象にfMRIやDTIの様な精密測定を行うことが可能になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、幼若ラット/マウスのHIEモデルを対象にfMRIやDTIの様な精密な測定を行う。この様な精密測定において質の高いデータを得るためにはアーチファクトを最小限に抑えなくてはならない。しかし、これらの測定は成獣を対象に行われることが多く、幼若動物を対象とした測定は一般的ではないので、本研究ではまず撮像条件を十分に検討する必要があるが、それに予想以上に時間がかかったために研究の進捗が予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
MRIの撮像条件検討をさらに進めて感度ムラと体動アーチファクトを軽減することで、幼若ラットを対象にしたfMRIやDTIを可能にする。その後、幼若期に低酸素虚血負荷したラットの経時的繰り返しMRI測定(fMRI、DTI、T2強調画像など)を行う。また、成長後に行動試験を実施して運動障害などを評価し、その後すぐに脳を摘出して大脳半球体積測定および病理組織検査を行う。これらを予後の指標とし、画像から得られる様々なパラメータとの関係を調べることにより、予後予測に至適なパラメータとその測定時期を明らかにする。
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次年度使用額の使用計画 |
実験動物および実験に必要な消耗品の購入、学会出張の旅費などに使用する予定である。
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