研究課題
基盤研究(C)
クラリスロマイシンの放射性肺臓炎の発症を予防する効果を検証した。本研究では、①体幹部定位放射線治療患者におけるクラリスロマイシン服用例と非服用例における放射線肺臓炎の頻度、重症度を後方視的に比較し、クラリスロマイシンが放射線肺臓炎の予防薬として有望であるかを解析すること、②前向き試験における検証意義、対象症例等を考案し、有効性を評価する多施設研究への基盤とすることを目的とした。しかし、研究期間内に、臨床研究法の発効があり、当研究が該当することとなったため、実際には前向き試験は実施までは至らなかったが、それ以外では多くの有用な知見が得られた。
早期肺癌に対する体幹部定位放射線治療は、手術適応外患者に対する標準治療法とされ、また手術ハイリスク患者においても同等の生存率が報告されており今後さらなる適応拡大が期待される。しかし致死的有害事象もすくなかずあり、そのうち多数は放射線肺臓炎が原因となっている。そのため体幹部定位放射線治療における放射線肺臓炎の予防は重要な課題である。クラリスロマイシンの少量投与をおこなう本研究により放射線肺臓炎高リスク患者に対して体幹部定位放射線治療を行う際に、放射線肺臓炎の頻度減少が期待されれば、特発性肺線維症患者併発早期肺癌患者において根治的治療を行えるチャンスが増えるなど治療パラダイムを変える可能性がある。
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