研究課題/領域番号 |
16K10408
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
鵜澤 玲子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 主任研究員(定常) (90250117)
|
研究分担者 |
小原 麻希 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部, 業務補助員(任非) (80736992)
平山 亮一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 主任研究員(定常) (90435701)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 再酸素化 / 炭素線 / X線 / 移植腫瘍 / 重粒子線 / 低酸素 |
研究成果の概要 |
腫瘍再酸素化は放射線抵抗性低酸素細胞を克服するのに重要な現象で有り、再酸素化現象をうまく利用することで、治療期間の短縮や腫瘍制御率の向上が期待できる。本研究では、担がんマウスに、様々な放射線を照射して、腫瘍の再酸素化の速度を調べた。重粒子線の中で高いLETをもつNeイオン線照射によって再酸素化が、照射30時間後に最も効果的に生じた。一方、X線では照射54時間後が最も効果的に再酸素が生じた。このことから高LET放射線は腫瘍再酸素化を早期に引き起こすことが示唆された。早期再酸素化の機構を解明するために、血管密度や血管機能変化を調べたが、これらは早期再酸素化の直接的な要因ではなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍内の低酸素細胞は放射線に対し抵抗性を示すため、放射線がん治療において低酸素細胞への治療戦略は重要な課題である。マウス移植腫瘍に様々な放射線を照射し、腫瘍内の低酸素細胞を経時的に定量した結果、高いエネルギーを持つ重粒子線により再酸素化(低酸素状態だった細胞に酸素が届く状態になる)が早まることが示された。様々な放射線における腫瘍再酸素化現象を明らかにすることができ、再酸素化のタイミングをうまく利用することで、治療期間の短縮や腫瘍制御率の向上が期待され、腫瘍内低酸素を標的とした新しい放射線がん治療戦略の基礎知見を提供することができた。
|