研究課題/領域番号 |
16K10453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 勅子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教(特定雇用) (30447742)
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研究協力者 |
伊藤 研一
福島 優子
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乳癌 / バイオマーカー / がん化 / DNA脱メチル化 / 5-ヒドロメチルシトシン(5hmC) / 良性腫瘍 / 外科 / 新規マーカーの開発 |
研究成果の概要 |
乳癌の新規バイオマーカーの探索を目指し、DNA脱メチル化の中間代謝産物5-ヒドロメチルシトシン(5hmC)の発現を、臨床検体の正常乳腺組織と乳癌組織で免疫組織染色法を用いて解析した。乳癌臨床組織での5hmCの陽性率は、正常乳管上皮細胞に比べ乳癌細胞で有意に低下していた。さらに、乳癌細胞での5hmC発現の有意な低下は、閉経状態、乳癌のサブタイプに関わらず認められた。以上の結果から、乳管上皮細胞でのDNA脱メチル化機構の異常が乳癌の発生に関与している可能性が示唆され、5hmCの発現低下が乳癌の病理組織診断時に併用できるバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床乳癌の病理組織診断で、非癌細胞と癌細胞の鑑別に有用なバイオマーカーは未だ確立されておらず、現在でも悪性か否かの確定は、経験を積んだ乳腺病理専門医の診断に依存している。その一方で、超早期癌である非浸潤性乳管癌では、まだ癌化していない病変が過剰診断されている可能性も示唆されている。本邦の乳癌患者は今後も増加が予測されるが、有用なバイオマーカーを病理組織診断に導入できれば、より客観的な病理組織診断が可能になる。今回の解析結果から、5hmCが乳癌細胞のバイオマーカーとして有用な可能性が示唆され、5hmCの評価の併用が乳癌の病理組織診断の一助となる可能性が示唆される。
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