研究課題
基盤研究(C)
胃食道逆流症(GERD)による慢性炎症により制御性T細胞やM2型マクロファージといった抑制性免疫細胞が誘導され、これらの細胞によってTGF-βやIL-10といった免疫抑制性サイトカインが産生されることにより癌の微小環境が構築されると考えられた。またメトホルミン投与によりこれらのサイトカイン産生能が低下し、pSTAT3の発現も低下していた。さらに発癌率を低下させることが確認された。エピゲノム解析により、DNAメチル化酵素をコードする遺伝子の一つであるDnmt3aが低下し、ヒストン脱アセチル化酵素をコードする遺伝子の一つであるHdac9が低下していることが示された。
Ⅱ型糖尿病治療薬であるメトホルミンが癌組織を構築する抑制性免疫細胞の浸潤を抑制することにより癌微小環境を改変し、発癌抑制作用を有する可能性が示唆された。がん微小環境に対する既存薬再開発(ドラッグリポジショニング)につながる研究の成果と思われる。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Surgery
巻: 164 号: 1 ページ: 49-55
10.1016/j.surg.2018.02.003