研究課題/領域番号 |
16K10494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
伏田 幸夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (10301194)
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研究分担者 |
原田 真市 金沢大学, 医学系, 准教授 (90272955)
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研究協力者 |
郡司掛 勝也
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | IL-17A / 肥満細胞 / 胃癌腹膜播種 / STAT3シグナル / 上皮間葉転換 / 線維化 / 胃癌 / 癌微小環境 / トラニラスト / 腹膜播種 / 線維化腫瘍 / MKN45 / 腹膜中皮細胞 / IL-17産生細胞 |
研究成果の概要 |
胃癌腹膜播種は臓器の線維化が特徴であり、抗がん剤や免疫担当細胞の腫瘍へのデリバリーが阻害され、治療抵抗性である。一方、IL-17A は皮膚筋炎において線維化を誘導することが知られているため、胃癌腹膜播種における線維化にIL-17A が関与しているかどうかを検討した。 70例の腹膜播種巣において、ほとんどのIL-17A 産生細胞は肥満細胞であり、その浸潤細胞数と線維化の程度は相関していた。正常腹膜中皮細胞にIL-17A を添加すると、E-cadhelin の発現は減弱、α-SMA の発現は増強し、浸潤能は亢進した。この現象はIL-17A がSTAT3 のリン酸化を促進したためであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌腹膜播種の1年生存率は10-40%と極めて不良である。その原因として、腫瘍内には多くの線維成分を含み、癌細胞以外の腫瘍関連線維芽細胞 (CAF)や腫瘍関連マクロファージの存在によって様々なサイトカインが産生され、腫瘍の増殖や進展に関与している。線維化はサイトカインの1つであるTGF-betaがCAFを刺激してコラーゲンファイバーを産生させることが原因と考えられてきたが、今回、腫瘍内に浸潤した肥満細胞から産生されるIL-17AがTGF-betaシグナルとは別のSTAT3シグナルを介して線維化を生じることを明らかにした。腹膜播種の治療標的分子を新たに発見したことで、治療法の開発が期待される。
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