研究課題/領域番号 |
16K10555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
有田 通恒 東邦大学, 医学部, 助教 (80307719)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | TrkB / EMAST / 大腸癌 / 低酸素 / MSH3 / DNAミスマッチ修復 / p53変異分類 / p53 / ミスマッチ修復 / 癌 / 転移 / ゲノム不安定性 / 癌微小環境 |
研究成果の概要 |
本研究では、再発や転移腫瘍の解析では見いだせない「悪性化過程で働く分子」の同定を目的とした。当初計画した転移性EMAST癌細胞の濃縮が期待通りに進まなかったため、打開策として、濃縮前の細胞集団を対象とした遺伝子発現解析データの精査を行った。その結果、EMAST誘導条件下で発現が亢進する遺伝子として、細胞膜貫通型受容体TrkBが浮上した。TrkBは神経芽腫での悪性度指標として知られるが、本研究により、大腸癌でも低酸素下での細胞増殖を担う分子であることが明らかとなり、転移や浸潤など悪性化に関与する可能性が示唆された。一方で、転移性EMAST癌細胞の濃縮については今後の課題として残った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、一部の免疫チェックポイント阻害薬が高頻度のマイクロサテライト不安定性(MSI-High)を示すがんに奏功することが示された。一方、進行性大腸癌においてはMSI-High癌は比較的予後良好とされ、むしろ、MSI-Highではない癌が問題となる。EMASTはマイクロサテライト不安定性の一形式であり、MSI-Highとは排他的な関係にある。しかも、大腸癌の予後と負に相関する。本研究では、EMASTを誘導する低酸素下で細胞増殖を担う分子としてTrkBを見いだした。期間内に達成できなかった手法の改善やTrkBの大腸癌悪性化における役割の解明を進めることで、社会に一層貢献できるものと考える。
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