研究課題/領域番号 |
16K10669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
心臓血管外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
平方 佐季 久留米大学, 医学部, 助教 (60597425)
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研究分担者 |
田中 啓之 久留米大学, 医学部, 教授 (70197466)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大動脈解離 / 血管 / 分子生物学 / 大血管 / 外科 / 循環器・高血圧 |
研究成果の概要 |
大動脈解離は大動脈壁の急激な破壊により発症し、炎症応答によって促進されると報告されている。我々は、β-アミノプロピオニトリルとアンジオテンシンII投与により大動脈解離を発症するマウスモデルを用い、平滑筋におけるJak/Statシグナル伝達経路のネガティブ調節因子であるSocs3の大動脈解離病態における役割を調べた。平滑筋細胞特異的なSocs3遺伝子ノックアウトは大動脈壁の慢性炎症応答をきたし、線維芽細胞増加、大動脈壁強度増強及び組織破壊の重症化抑制に関連していた。急性の炎症応答は、大動脈解離にとって有害とされるが、平滑筋による炎症応答は、大動脈解離に対して保護的な役割があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大動脈解離は、社会的な影響が重大な50代男性に好発する致命的な疾患であるにもかかわらず、外科的治療以外にその進行を阻止するような積極的治療法はない。病態もほとんど未解明であるため病状を把握することも困難であるのが現状である。本研究の結果から、従来大動脈解離にとって破壊を促進する有害なものとされた炎症が、反対に保護的な役割も担っている可能性があることがわかり、その中心となるのが平滑筋細胞であることも発見した。具体的に線維芽細胞の増加、大動脈壁強度の増強により組織破壊の重症化が抑制されていることも明らかとなったことから、これまで進んでいなかった解離進行阻止療法の開発につながる重要な知見となった。
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