研究課題/領域番号 |
16K10735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20550825)
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研究協力者 |
古田 隆徳
小川 陽一
齋藤 康彦
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 虚血耐性現象 / ミトコンドリア / ATP依存性カリウムチャンネル / 虚血再灌流障害 / MKATPチャンネル / postconditioning / パッチクランプ法 / NMDA受容体 / 脳虚血 / 脳血管障害学 |
研究成果の概要 |
Ischemic postconditioning (PoC) の機序を解明するためにパッチクランプ法を用いた電気生理学的な検討を行った。結果としてPoC、mKATP channel開口薬投与によりNMDA受容体活性の上昇が抑制され細胞内Ca2+の上昇も抑制されたが、mPTP閉鎖薬を加えることでキャンセルされた。またミトコンドリア膜電位はPoCにより再灌流後一過性に脱分極した。以上の結果からPoC現象は、mKATP channelの活性化を介したmPTPのmildな開口とNMDA受容体活性を低下させ、細胞内Ca2+濃度の著明な上昇を抑制して神経保護効果をもたらす可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経細胞の虚血耐性現象に関する報告は数多くされているが、電気生理学的側面からの報告は少ない。本研究の結果としてミトコンドリア局在KATPチャンネルの開口によってミトコンドリア内膜の脱分極が生じ、ミトコンドリアPTPから特異的にCa2+が細胞内に放出され、これが細胞膜NMDA受容体をdown-regulationさせ、このことがEPSCの低下をもたらす結果が得られた。本機序の解明が進み、今後トランスレーショナルリサーチに発展することにより、将来的には本チャンネル開口薬が脳梗塞急性期の“治療薬”として臨床応用されれば今後の脳血管障害の治療に貢献するところは大きいと考えられる。
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