研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では関節リウマチ病態におけるCD4T細胞の機能について解析を行った。臨床検体を用いた多重染色フローサイトメーター解析では、関節リウマチ関節内にIFN-γ、IL-21、さらに近年注目されているGM-CSFを共産生する多機能エフェクターCD4T細胞が浸潤していることが明らかになった。これらは末梢血などにはほとんど存在せず、関節炎の病原性CD4T細胞である可能性が考えらえた。また、マウス関節炎モデルの解析からは、自己軟骨コラーゲンに反応するCD4T細胞の、胸腺での免疫寛容機構が明らかになった。よって、人でもこの免疫寛容機構の破綻が関節炎発症を引き起こしている可能性が考えられる。
CD4T細胞は関節リウマチの炎症病態において中心的な役割を果たすと考えられる。従来の研究からCD4T細胞には機能的に異なる幾つかのサブセットが存在することが知られていたが、このいずれも多彩な関節炎症病態を十分に説明できなかった。本研究課題を通じて、関節リウマチ患者の関節局所には、多種の炎症性サイトカインを共産生する特殊なサブセットのCD4T細胞が存在していることが明らかになり、これらの関節炎病態への関与が疑われた。またマウスモデルの解析からは、関節炎病原性T細胞の分化機構の一端が解明された。これらの知見は関節リウマチの疾患特異的な新規治療法の開発を目指す上で重要な情報と思われる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Nature Communications
巻: 9 号: 1 ページ: 353-353
10.1038/s41467-017-02763-y
RMD Open
巻: 3 号: 1 ページ: e000487-e000487
10.1136/rmdopen-2017-000487