研究課題/領域番号 |
16K10951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)
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研究協力者 |
紺野 大輔
鈴木 潤
三澤 計治
柴田 朋子
河合 洋介
今村 百可
長﨑 正朗
城戸 幹太
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 術後悪心嘔吐 / PONV / スンクス / 次世代DNAシークエンサー / トランスクリプトーム解析 / 孤束核 / 嘔吐中枢 / 外科 / ゲノム / 行動学 / 悪心嘔吐 / 脳・神経 |
研究成果の概要 |
術後悪心嘔吐(PONV)は全身麻酔覚醒後に生じる合併症の1つである.だがその分子的機序は明らかになっていない.スンクスはラットやマウスと違い,容易に嘔吐行動が生じる哺乳類である.本研究はこのスンクスに全身麻酔下に下腹部手術を施し,スンクスPONVモデルを確立した後に,脳幹の嘔吐中枢である孤束核(NTS)のゲノム網羅的な遺伝子発現変化(トランスクリプトーム解析)を行い,PONVの分子遺伝学的機序を解明するものである.行動学的研究ではPONVモデルでの嘔吐行動を出現させることができた.トランスクリプトーム解析ではゴナドトロピン刺激ホルモンシグナル伝達系とEGR1転写因子との関与が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PONVは術後の合併症の中でも20-30%の高い頻度で起こる不快な合併症の1つである.PONVの臨床的危険因子は大規模研究ですでに明らかになっており,全身麻酔法の決定に影響を与えているが,PONVを完全に予防することは困難で,患者の医療に対する満足度を下げてしまうことも多い.それにもかかわらず,本邦の周術期医療では保険診療上,制吐薬の使用は選択肢があまりなく,効果の高い新規の制吐薬の開発が待望されている.本研究ではEGR1転写因子をはじめとした複数の制吐薬の標的候補を同定できた.今後は新たな制吐薬と手術後での使用を視野に入れて,さらに研究を推進したい.
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