研究課題
基盤研究(C)
骨盤臓器脱手術検体を用いて細胞外マトリックス関連遺伝子(fibulin-5, ITG)の発現低下を認めた。骨盤臓器脱発症の分子メカニズムが変異している可能性を示した。CRISPR Cas9システムでfibulin-5のノックアウトマウスを作成した。ガイドRNAを作成し,Cas9タンパク質とともにマウス胚に投与し,偽妊娠子宮に移植し,標的遺伝子配列の変異を確認した。ホモ接合体は分娩後に腟壁菲薄化と骨盤臓器脱を来した。弾性繊維染色で腟壁周囲の弾性線維が減少した。しかし,ホモ接合体のマウスの維持が不安定のため遅れが出ており,間葉系幹細胞のES細胞を調整し,遺伝子治療の可能性を検討中の段階である。
高齢化や妊娠・分娩は骨盤底臓器の弛緩を惹起し、骨盤臓器脱や下部尿路症状は女性の生活の質を低下させる。骨盤臓器脱は分娩や外傷などの物理的誘発因子と組織学的な骨盤底の結合組織や細胞外マトリックスの変化を伴う遺伝的な因子などの複合的な疾病であるが、前者の疫学的研究は進んでいるが、後者の因子の解明は進んでいない。骨盤底支持機構における細胞外マトリックスの蛋白レベルの研究は本分野の解明に大きく寄与すると考えられる。本研究ではノックアウトマウスを用いた骨盤臓器脱発症に関連する蛋白のリモデリングの解析を行い、骨盤臓器脱を個別化し、幹細胞移植をターゲットとした治療を開発することが可能と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 7件、 招待講演 6件)
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