研究課題/領域番号 |
16K11200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
小野 宗範 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30422942)
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研究分担者 |
伊藤 哲史 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90334812)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 下丘 / 興奮性ニューロン / 抑制性ニューロン / 光遺伝学 / 興奮性/抑制性ニューロン / 電気生理学 / 覚醒動物からの電気生理学的記録 |
研究成果の概要 |
覚醒動物からの光遺伝学的脳活動記録システムを構築し中脳聴覚神経核下丘の興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの覚醒時活動特性を明らかにした。その結果下丘の局所回路は相同性の高い周波数受容野を持つ興奮性及び抑制性ニューロンによって構成されていること、また麻酔による影響が下丘レベルにおいて顕著に存在することも明らかとなった。加えて抑制性ニューロンの自発活動レベルは興奮性ニューロンに比べて有為に高いことが観察されたが、この関係は内耳損傷による聴覚障害によって逆転することが観察された。このことから下丘ニューロンは可塑的にその活動性を変化させ聴覚経路における情報伝達効率を動的に調節していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
興奮性及び抑制性の情報伝達は脳内の感覚情報の伝達に極めて重要な役割を持つことがよく知られている。本研究の結果から下丘は大脳皮質に代表される他の脳領域とは異なる独自の音情報処理機能を持つことを示唆しており、その学術的意義は高い。また抑制性ニューロンと興奮性ニューロンの活動レベルが内耳からの入力レベルに応じて可塑的に変化していることから下丘が、耳鳴のような難聴に対する不適応から生じる疾患に関わっていることが強く示唆された。耳鳴は現在治療不可能な疾患であるため、その治療に向けた基礎的な知見を本研究が与えたことの意義は大きい。
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